こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
相続放棄を決めた場合に気になるのは、「どのように相続放棄の手続きを進めたらいいのだろうか」ということではないでしょうか。
実際に相続放棄を自力ですることは可能ですが、手続きをする前に主な流れを確認しておけば、よりスムーズに準備を進められるでしょう。
亡くなったお祖父さんに借金が多く、ボクは相続放棄の手続きを取るんだけど、自分で手続きをすることも可能かな?
そうじゃな!自分でも手続きは可能なんじゃが、いろいろと注意点があるので、今回の記事ではその注意点を詳しく解説するぞ!
そこで本記事では、相続放棄手続きの主な流れと、手続きをする際の注意点について、司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
お友達登録するだけで相続放棄のお悩みが解決できる!相続お悩みLINE相談!
相続放棄の手続きの流れや注意点についてわかりやすく説明いたします。
相続放棄とは
相続放棄とは、法定相続人が故人(被相続人)の遺産をすべて放棄する制度のことです。
遺産放棄が認められるとその法定相続人は、故人が持つすべての遺産を相続する権利を失います。
相続財産を引き継ぐことはできなくなりますが、故人が遺した借金を背負う負担から解放されます。
また、法定相続人が複数いる場合は、遺産相続を巡るトラブルに巻き込まれる心配もなくなるでしょう。
原則として相続放棄できるのは、法定相続人とみなされた人(配偶者や子、父母、兄弟姉妹など)です。
複数の法定相続人の中で唯一放棄を考えていたとしても、自分の意志で手続きができます。
なお、相続放棄をすると代襲相続の権利も消滅するため、代襲者(その法定相続人の子供など)が遺産を引き継ぐことはありません。
相続放棄手続きの主な流れ
相続放棄をするには、手続きに必要な書類や費用を準備して家庭裁判所に申し立てを行い、結果を待ちます。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 手続きに必要な書類を準備する
- 手続きに必要な費用を用意する
- 家庭裁判所に書類を提出する
- 相続放棄申述受理通知書を受け取る
手続きに必要な書類を準備する
相続放棄の手続きに必要な書類には、必須なものと申立人別に必要なものとがあります。
◯必須書類
書類名 | 入手先 |
相続放棄申述書 | 各家庭裁判所の窓口またはこちら |
故人の住民票除票(戸籍附票でも可) | 故人が最後に住んでいた居住地を管轄する市町村役場 |
申立人の戸籍謄本 | 本籍地のある市町村役場 |
◯申立人別に必要な書類
法定相続人 | 必要な書類 | 入手先 |
配偶者または子 | 被相続人の除籍・改製原戸籍謄本 | 故人の本籍地がある市町村役場 |
代襲者(孫) | 上記の書類と、親(故人)の除籍・改製原戸籍謄本 | 上記に同じ |
兄弟姉妹 | ・被相続人の全ての戸籍謄本・第1順位(故人)の全ての戸籍謄本・第2順位(故人)の全ての戸籍謄本 | 上記に同じ |
甥・姪 | 上記の書類と、親(故人)の除籍・改製原戸籍謄本 | 上記に同じ |
手続きに必要な費用を用意する
相続放棄にかかる費用には、個人差があります。最低限必要なのは、
- 戸籍謄本等の取得代
- 収入印紙代
- 郵便切手代
の3点で、費用相場は4,000円前後です(費用は取得する書類の種類や数によって異なります)。
もし、弁護士や司法書士に依頼した場合は、その分費用が上乗せされます(費用相場は約3~5万円)。
家庭裁判所に書類を提出する
相続放棄の書類の提出先は、被相続人の最後の居住地を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所の開庁時間は、平日(月曜日~金曜日)の8時30分から17時まで。
なお、書類の提出は原則として相続放棄をする法定相続人本人が行います。
家庭裁判所が遠隔地にあるなど直接提出するのが難しい場合は、郵送による手続きを選びましょう。
相続放棄申述受理通知書を受け取る
相続放棄を申し立ててからおよそ10日後に届くのが、「相続放棄申述受理通知書」です。
これは、家庭裁判所が相続放棄を正式に認めたことを伝える書類ですので、届いたら大切に保管しましょう。
相続放棄申述受理通知書には、「相続放棄申述受理証明書」の申請用紙も同封されています。
これは、相続放棄をしたことを証明する書類です。
今後の手続きで必要になると考えられる場合は、忘れずに申請しましょう。
相続放棄の手続きをする際の注意点
相続放棄の手続きは、1度きりです。却下されたからといって再度申立てはできません。
「却下されてしまった」ということを避けるためにも、以下の点に注意しましょう。
- 期限以内に申し立てを完了する
- 家庭裁判所から照会書が届いた場合は忘れずに返信する
- 相続放棄の撤回は可能な限り避ける
- 単純承認を避ける
期限以内に申し立てを完了する
相続放棄の期限は、故人が亡くなった日(または相続すると知った日)から3か月以内と決められています。
3か月を過ぎてもケースによっては申し立てを認められることがありますが、通常よりも難易度が高くなるため弁護士や司法書士などの専門家に依頼することになります。
家庭裁判所から相続放棄照会書が届いた場合は忘れずに返信する
家庭裁判所から正式な結果が出る前に、「相続放棄照会書」と呼ばれる通知が届くことがあります。
これは、申し立てに対する家庭裁判所からの質問状のことです。
照会書を受け取ったら、必ず質問に回答して期日以内に返信しましょう。
返信を忘れると、却下されるおそれがありますので十分な注意が必要になります。
相続放棄の撤回は可能な限り避ける
原則として、相続放棄の撤回は認められていませんが、家庭裁判所が相続放棄を認める前であれば撤回できる可能性があります。
例えば、他の法定相続人から相続放棄するように脅されて手続きをしてしまったなど、特別な事情がある場合は、撤回を認められるかもしれません。
ただし、妥当な理由があっても100%認められる保証はないため、相続放棄の撤回は可能な限り避けることをお勧めいたします。
単純承認を避ける
実はこれが1番重要なポイントになり、場合によっては知らないうちに相続を承認してしまうケースがあります。
この単純承認の例を挙げますと、故人の預金を使ってしまったケースや故人の自動車を利用してしまったようなケースがこれにあたり、こうした行為をしてしまうと相続を承認したことになり、その後は相続の放棄が出来なくなってしまいます。
このように故人の財産を使用した場合などはわかりやすいのですが、亡くなった時の病院代を故人の保険から支払うなど、ご自身が知らないうちに単純承認しているケースもありますので、この相続の単純承認に関しては充分に注意する必要があります。
相続放棄のまとめ
相続放棄の主な流れと、手続きする際の注意点について詳しく解説しました。
注意点を念頭に置きながら手順にそって進めていけば、1人でも手続きを済ませられるでしょう。
手続きを進めていく途中で放棄することに迷いが生じたり、書類の収集で手間取ったりするかもしれません。
その場合は、当事務所のような専門家に相談いたしましょう。
どうでしょうか、今回のブログ「相続放棄について!手続きの流れや注意点を司法書士が詳しく解説!」のテーマの解説は以上になります。
当サイトを運営する司法書士法人ホワイトリーガルでは、相続放棄のお悩みに関する無料相談だけでなく、相続の手続き全般に関して無料相談を受け付けています。
ぜひ、お気軽に当サイトの無料相談を利用して相続のお悩みを解決していただきたいと思います。
相続放棄に関する何か疑問点やご質問などがございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください!
それでは、司法書士の久我山左近でした!