相続人が全員放棄した場合に、残された相続財産はどうなる?

相続手続きガイド

こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。

相続が発生すると、相続人は「遺産を受け取るかどうか」を選ぶことができます。
中でも「相続放棄」は、借金や管理できない不動産などの問題を避けるために選ばれることが増えています。
でも、全員が相続放棄した場合、遺された不動産や車、預金、借金などは一体どうなるのでしょうか?

この記事では、司法書士の久我山左近が専門家の視点から、「誰も相続しない」という状態になったとき、法律上はどう扱われるのかをわかりやすく解説します。


お友達登録するだけで相続放棄のお悩みが解決できる!相続お悩みLINE相談!

目次

誰も相続しないとどうなる?残された財産の処理の流れを詳しく解説します!

司法書士法人ホワイトリーガル

相続放棄相談のページを少し見てみる!
司法書士法人ホワイトリーガル

相続放棄相談のページを少し見てみる!

残された不動産や自動車はどんな扱いになるのか?

相続人が全員相続放棄した場合でも、遺産は自然に消えるわけではありません。
家や土地、自動車、銀行口座など、名義や所有者が変わらないまま残り続けることになります。

✅ 1. 所有者不在の財産は「相続財産法人」に

法律上、相続人がいなくなった財産は「相続財産法人(そうぞくざいさんほうじん)」という形で一時的に独立した扱いになります。
これは、あくまで清算や管理をするための枠組みで、いわゆる法人格を持つ企業ではありません。
家庭裁判所が選任した相続財産管理人が、残された財産の管理や清算(売却・借金返済など)を行うことになります。

✅ 2. 不動産は原則「国庫に帰属」する可能性も

管理人の手続きが終わった後、誰も相続しないまま残った不動産や財産は、最終的に国のものになります(国庫帰属)
ただし、管理人の選任や手続きには時間もお金もかかり、実際には**誰も手をつけないまま「放置される土地」**になってしまうことも…。

✅ 3. 自動車や預貯金も「手つかず」のまま残ることがある

たとえば被相続人の名義のまま車が残っていても、相続放棄後に勝手に処分したり廃車にしたりすることはできません。
また、銀行口座も相続人がいなければ解約手続きはできず、凍結されたままになります。
つまり、放棄した後も「何も動かせない遺産」が現実に残り続けてしまうのです。


放棄後の「管理問題」は誰が担うのか?

「もう関係ない」と思っていても、放棄した財産に関しては放置すれば近隣や関係者に迷惑がかかることもあります。

たとえば、こんなトラブルも?

  • 放置された空き家が老朽化して倒壊の危険に
  • 車がそのまま道路脇に置かれ、撤去もできない
  • 山林や土地に不法投棄が繰り返される

こうした問題に対応するには、家庭裁判所に申立てて相続財産管理人を選任する手続きが必要です。
ただし、この手続きは費用(予納金20〜80万円程度)がかかるため、誰が負担するかが問題になることもあります。

相続放棄は「ゴール」ではなく「スタート」のことも

相続放棄をすると、たしかに借金や管理責任からは免れます。
しかし、放棄した財産がそのまま残ってしまうと、別の問題や手続きが新たに発生することもあるのです。
相続放棄を選ぶ際には、次のようなことも含めて考えておくことが大切です。

  • 他に相続人になりうる人はいるか?(代襲相続・再転相続)
  • 残された財産の管理をどうするか?
  • 財産がマイナスだけでなくプラスならどうするか?

全員が相続放棄する場合の注意点

相続人が全員放棄した場合でも、財産はそのまま残ります。
そして、何もしなければ、不動産や車などの「動かせない遺産」が空白のまま放置されることになるのです。
放棄は有効な選択肢ですが、その後に起こる可能性のある問題まで視野に入れておく必要があります。
「どう進めたらいいかわからない」「放棄後に不安がある」そんなときは、専門家に相談することで不要なトラブルを防ぐことができます。

よくある質問(Q&A)

Q. 相続放棄したのに空き家の管理を求められました。無視して大丈夫ですか?

→ 放棄した時点で法的な義務はありませんが、周囲に迷惑がかかると損害賠償を求められるケースもあるため注意が必要です。

Q. 全員が放棄すると、親戚に相続権がうつるのですか?

→ 第三順位まで全員が放棄した場合、相続人は不在となり、最終的には国に帰属します。

Q. 相続財産管理人は誰が選任するの?

→ 家庭裁判所に申立てを行い、裁判所が選任します。申立人が予納金を負担する必要があります。

相続放棄のご相談は司法書士法人ホワイトリーガルにおまかせください

放棄して終わりではない相続のこと、ホワイトリーガルが、その後の対策までしっかりお手伝いします。
今のうちに、できることから始めてみませんか?

ここまでで、今回のブログ「相続人が全員放棄した場合に、残された相続財産はどうなる?」のテーマの解説は以上になります。

当サイトを運営する司法書士法人ホワイトリーガルでは、相続放棄についての無料相談だけでなく、相続手続きや家族信託など相続に関連するお悩みについても無料でご相談することができます。
ぜひ、お気軽に当サイトの無料相談を利用していただきたいと思います。

カワウソ竹千代

相続の手続きでのお悩みについては、お気軽に当事務所までご相談をしてくださいね。

久我山左近

それでは、司法書士の久我山左近でした。


簡単1分で入力できる相続放棄相談ページはこちらへ!

司法書士法人ホワイトリーガル
司法書士法人ホワイトリーガル
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次