法定相続分とは?相続に詳しい司法書士がわかりやすく解説します!

相続手続き完全ガイド

こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。

法定相続分とは、亡くなった方(被相続人)の相続財産をどれぐらい引き継ぐことが出来るかということが民法で定められた割り合いになります。

今回の記事は、法定相続分とは?というテーマで、相続が起きた時にそれぞれの法定相続人がどれぐらい相続財産を引き継ぐことができるのかという法定相続分に関する基本的な知識を司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
ぜひ、今回の記事を読んでいただき、法定相続分に関する基本的な知識を身に付けていただきたいと思います。

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目次

法定相続分について!相続に詳しい司法書士が丁寧に解説いたします!

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以前の記事で法定相続人が誰かについて解説をいたしましたが、今回の記事ではその法定相続人がどれぐらいの割り合いで相続財産を引き継ぐのかについて、司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。

各法定相続人の法定相続分は民法で決められています!

まず、法定相続人については過去のコラム「法定相続人とは?相続に詳しい久我山左近がわかりやすく解説します!」で詳細を解説していますので、ぜひ法定相続人の記事についてもご覧ください。

法定相続分」とは、相続において亡くなった方(被相続人)の相続財産を引き継ぐにあたり、各法定相続人の取り分として民法上で定められた割り合いのことをいいます。

相続で亡くなった方(被相続人)が遺言書を残していた場合には原則としてその遺言書の内容に従うことになるため、相続人全員での話し合い(遺産分割協議)は行われないのが一般的になります。

もちろん、遺言書がない場合には相続人全員で話し合い(遺産分割協議)が行われて、合意に至った場合にはその内容に従って相続財産を分割する方法が決められます。

また、遺産分割協議では相続人全員が納得していれば、どのように相続財産を引き継ぐことも可能ですが相続人同志で公平を保つという観点からも民法で定められた法定相続分を正しく理解し、その割合に応じて話し合いを進めることで、遺産分割協議における無駄な争いを避けることが出来るかもしれません。

ここからは法定相続分の基礎知識を具体的なケースごとに図を交えて分かりやすく解説いたします。

それでは、まずは下記の図をご覧になってください。

法定相続分

それぞれのケースで考えてみましょう!まず亡くなった方(被相続人)に配偶者と子供がいるケースではそれぞれの法定相続人の相続分の割り合いは配偶者が2分の1子供が2分の1になり、もし子供が2人いる場合は2分の1を子供2人で分けるので、それぞれの子供が4分の1の相続分になります。

次に、亡くなった方(被相続人)に子供がなく父母がいるケースではそれぞれの法定相続人の相続分の割り合いは配偶者が3分の2父母が3分の1になり、両親が健在であれば父親と母親は3分の1を2人で分けるので、それぞれ6分の1の相続分になります。

最後が亡くなった方(被相続人)に子供も両親もなく兄弟がいるケースではそれぞれの法定相続人の相続分の割り合いは配偶者が4分の3兄弟が4分の1になり、法定相続人が弟のみであれば弟の相続分の割り合いは4分の1になります。

まずは、ここまでで解説した法定相続分の基本的な割り合いを覚えておきましょう!

相続権を持たない人は誰か?相続に詳しい久我山左近が解説します。

ここまで法定相続分について解説をいたしましたが、実際に相続権を持つ者かどうか判断に迷う場合もあると思います。

ここでは、相続権を持たない者の例を紹介していきます。

事実婚などで内縁関係にある者は、配偶者としての相続人にはあたりませんので相続分もありません。ただし、亡くなった方(被相続人)が遺言により内縁にあたる配偶者に包括遺贈を行うことで、内縁にあたる配偶者は包括受遺者として法定相続人と一緒に遺産分割協議に参加できるようになります。包括遺贈とは、相続財産の内容を指定せずに行う遺贈のことで「相続財産のうち2分の1を○○に遺贈する」とすると包括遺贈ということになります。 

亡くなった方(被相続人)の子供に関しては両親が離婚した場合でも相続権を有しますが、離婚した元配偶者については離婚した時点で配偶者としての相続権を失うことになります。また、離婚した後も一緒に暮らしているような事実婚の状態であっても相続権は復活しません。ただし、離婚協議中で別居している状態でも、まだ法律上の配偶者であれば相続権があるということになります。

再婚相手の連れ子は、新しく再婚した親(被相続人)と養子縁組をしない限り相続人とはなりません。なお、再婚した相手は配偶者として相続権を有します。

ここからは、法定相続人であっても相続財産を受け取ることが出来ない場合について解説いたします。

法定相続人であっても相続権を剝奪される相続欠格について解説!

相続欠格とは、以下の欠格事由に該当する法定相続人の相続権を、手続きをすることなく剥奪することができる制度をいいます。

以下の相続欠格事由に該当する者は、配偶者や子供であっても相続人になることは出来ません。

【相続欠格事由】

  • 故意に亡くなった方(被相続人)や他の法定相続人になりうる人を死亡、または死亡させようとしたために刑に処せられた者
  • 亡くなった方(被相続人)が殺害されたことを知っていながら、告発または告訴しなかった者
  • 詐欺や強迫によって、亡くなった方(被相続人)による遺言書の作成、撤回、取消、変更を操作した者、あるいは故意に妨げた者
  • 亡くなった方(被相続人)の遺言書の内容を偽造、変造、破棄、隠したりした者

民法の規定では、相続において亡くなった方(被相続人)の意思を最大限尊重するようにしていますので、その亡くなった方(被相続人)の意思を無視したり、民法が目指す相続のあり方に反して法に触れるようなことをした者は相続権を失うことになります。

被相続人が相続権を剝奪する相続廃除について解説します!

相続欠格に続いて相続廃除された者も相続財産を受け取る相続人になりません。

相続廃除とは、亡くなった方(被相続人)の意思に基づいて、家庭裁判所が相続人の相続権を剥奪する制度をいいます。

ここで相続排除の対象者は亡くなった方(被相続人)の配偶者、子供(直系卑属)、親(直系尊属)に限られます。その理由はこれらの相続人には「遺留分」があるからになります。

遺留分とは、残された相続人が最低限の相続財産を受け取ることが出来る制度のことで、兄弟姉妹以外の一定の相続人には遺言によっても奪うことのできない相続財産を受け取ることが出来る一定の割合のことを遺留分といいます

仮に遺留分がない相続人に対しては遺言書を作成することで相続分をゼロにすることが出来ますので、遺留分を持つ相続人に対してのみ相続排除の手続きが必要ということになります。

いずれ被相続人になる人は、次の廃除事由がある場合、廃除の請求を生きている間に(あるいは遺言により)家庭裁判所に行うことができます。

【相続排除の条件】

  • 推定相続人(将来の相続において相続人になる予定の者)が被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えたことがある場合
  • 推定相続人(将来の相続において相続人になる予定の者)に著しい非行がある場合

少し補足説明をいたしますと、「被相続人に対する虐待」とは被相続人に対し暴力や耐え難い精神的な苦痛を与える行為で、「重大な侮辱」とは被相続人に対する名誉や感情を害する行為を意味します。また「著しい非行」とは、推定相続人が犯罪、被相続人の遺棄、被相続人の財産の浪費、不貞行為や素行不良などをした場合を意味します。

続いては相続放棄について久我山左近がわかりやすく解説します!

最後が「相続放棄」の解説で、亡くなった方(被相続人)の相続財産が現預金や不動産、有価証券といったプラスの財産だけでなく借金や未納税金などのマイナスの財産が多い場合に、そのすべての相続財産に関する相続する権利を放棄した人も相続人にはなりません。

法定相続人が相続放棄を行うには、相続開始から3か月以内に家庭裁判所にその旨を申し立てる必要があります。

なお、相続欠格や相続排除は先に説明した代襲相続の対象になるのですが、相続放棄は代襲相続の対象になりませんので、亡くなった方(被相続人)の子供が相続放棄をした場合には被相続人の孫は相続放棄をした子供に代わって相続人になることはできません。

ここまでで、今回のブログ「法定相続分とは?相続に詳しい司法書士がわかりやすく解説します!」のテーマについての解説は以上になります。

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カワウソ竹千代

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久我山左近

それでは、司法書士の久我山左近でした。

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