高齢化社会に必須の制度！成年後見制度のメリットと注意点とは？

2025年7月14日

こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。

最近よく耳にするようになった「成年後見制度（せいねんこうけんせいど）」。
高齢化が進む今、認知症や判断力の低下などに備えるために、ますます注目されています。
「成年後見制度ってどんな制度？」「どんな時に使うの？」「メリットと注意点は？」こうしたご相談をいただくことが増えています。
今回の記事では、成年後見制度の基礎からメリット・注意点まで、具体的に解説していきます。

この記事では、司法書士の久我山左近が専門家の視点から、成年後見制度の気になるポイントやこれから親や家族のサポートを考える方にもを詳しく解説します。
ご本人はもちろん、ご家族の方にも知っておいてほしい内容です。

お友達登録するだけで家族信託のお悩みが解決できる！家族信託LINE相談！

ご本人も、ご家族も安心できる成年後見のしくみをわかりやすく解説！

成年後見制度とは、認知症や知的障がいなどで判断力が不十分な方を法律的にサポートする制度です。
簡単に言うと、財産管理や契約などを代わりに行ってくれる人（後見人）をつけるしくみです。
たとえば…

認知症が進んで銀行の手続きができない
高齢者をねらった悪質な訪問販売で契約してしまった
施設の入所契約や不動産の売却を自分では判断できない

といったときに、後見人がしっかりと支援してくれます。

成年後見制度が必要になるのはどんな時？

次のようなケースでは、成年後見制度の利用が検討されます。

認知症の親の預金の引き出しができなくなった
高齢の家族が不動産の名義変更や売却をしたいが、判断能力に不安がある
高齢者が詐欺的な契約をしてしまった

成年後見人がつくことで、これらの問題に**法律上の「代理権」や「取消権」**を持って対応できます。

制度の種類は3つあります

成年後見制度には、状態や希望に応じて3つのタイプがあります。

【1】後見（判断能力がほとんどない方）

本人の代わりにすべての法律行為を行います。認知症がかなり進んでいる場合など。

【2】保佐（判断能力がかなり不十分な方）

大きな契約などに同意が必要になります。不動産や借金契約などを防げます。

【3】補助（判断能力が一部だけ不十分な方）

本人の希望に応じてサポート内容を決められる柔軟な制度です。

成年後見制度のメリット

1. 金銭トラブルや詐欺から守れる

悪質な訪問販売や詐欺まがいの契約を後見人が取り消すことができます。

2. 財産の管理をしっかり任せられる

通帳や不動産など、日常生活に必要なお金や財産の管理をきちんと行えます。

3. 家族の負担が軽くなる

法的に認められた後見人がつくことで、家族の手間や心配がぐっと減ります。

注意点・デメリットも知っておこう

制度を利用するにあたって、注意すべき点もいくつかあります。

⚠ 家庭裁判所の手続きが必要

後見制度は「裁判所の管理のもと」で運用されます。申立てや報告書の提出が必要です。

⚠ 一度始めると原則としてやめられない

成年後見はいったん開始されると、基本的に一生続く制度です。慎重に判断が必要です。

⚠ 場合によっては専門職（司法書士など）が後見人になる

家族が後見人になれない場合、専門職後見人が選ばれます（報酬が発生します）。

まとめ：高齢社会の今こそ知っておきたい制度

成年後見制度は、本人の暮らしと財産を守るために作られた制度です。
うまく使えば、認知症や高齢によるトラブルを防ぎ、安心して暮らすことができます。
ただし、制度の仕組みや手続きは少し複雑な面もあります。
「もしかしてそろそろ準備が必要かも…」と感じたら、早めに専門家へ相談することが大切です。