こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
「借金が多かったので相続放棄をしたけれど、その後になって預金や不動産が見つかった…。」
このようなケースは決して珍しくありません。
では、その財産は誰のものになるのでしょうか?
「放棄したけれど、後から見つかった財産だけ受け取れるのでは?」と考える方もいますが、実は法律上はそう簡単ではありません。原則として受け取ることはできません。
今回のブログでは、相続放棄後に見つかった財産はどうなるのか、知らないと損するルールについて司法書士の久我山左近が専門家の視点から、わかりやすく解説いたします。
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相続放棄すると最初から相続人ではなかったことになります!


家庭裁判所で相続放棄が受理されると、その人は法律上「最初から相続人ではなかった」と扱われます。
つまり、
- プラスの財産
- マイナスの財産(借金)
どちらも引き継がないことになります。
これは非常に強力な制度である一方、一度受理されると原則として撤回できません。
そのため、後から価値のある財産が見つかっても、「やっぱり相続したい」ということは基本的にできないのです。
後から見つかった財産は誰のものになる?
次順位の相続人がいる場合
例えば、父が亡くなり
- 子全員が相続放棄
- 亡くなった方の親が存命
この場合は父母が相続人になります。
父母も放棄すれば兄弟姉妹へと相続権が移ります。
つまり、後から見つかった財産も新たな相続人が引き継ぎます。
全員が相続放棄した場合
相続人全員が放棄すると、相続人が存在しない状態になります。
その場合は家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、財産を管理・清算します。
借金などを支払った後、残った財産は
- 特別縁故者への分与
- 最終的には国庫へ帰属
という流れになります。
つまり、放棄した相続人のもとへ戻ることはありません。
知らないと損する7つのルール
1 放棄後に預金を引き出してはいけない
一番多い失敗です。
例えば、
- 見つかった現金を生活費に使う
- 親の預金を引き出す
- 株を売却する
このような行為は「相続財産を処分した」と評価される可能性があり、相続放棄が認められなくなったり、放棄後でもトラブルになるおそれがあります。相続財産には原則として手を付けないことが重要です。
2 タンス預金も勝手にもらえない
現金だから問題ないと思う方もいます。
しかし、自宅から現金が見つかっても、それは被相続人の財産です。
相続放棄した人が自由に持ち帰ることはできません。
意外と知られていませんが、タンス預金も銀行預金と同じ扱いになります。
3 実家は勝手に売却できない
相続放棄すると「もう関係ない。」と思ってしまう人もいます。
しかし、実家を管理している場合には、相続人や相続財産清算人へ引き渡すまでの間、適切に保存・管理する義務が
あります。
勝手に解体、売却、リフォームすることはできません。
4 生命保険は受け取れる場合がある
これは勘違いされやすいポイントです。
生命保険金は「受取人」が指定されている場合、相続財産ではありません。
そのため、相続放棄していても受取人本人は保険金を受け取れるケースが多いです。
一方、
- 被相続人名義の保険積立金
- 解約返戻金
などは相続財産になる場合があります。
5 未支給年金・死亡退職金も受け取れる可能性がある
未支給年金や死亡退職金は、一定の場合には遺族固有の権利になります。
そのため、相続放棄していても請求できるケースがあります。
「放棄したから何も受け取れない」というわけではない点は知っておきたいポイントです。
6 暗号資産・ネット証券は見落とされやすい
近年非常に増えているのが、
- ビットコイン
- イーサリアム
- ネット銀行
- ネット証券
です。
家族も存在を知らず、放棄後に通知が届いて初めて判明するケースがあります。
最近はスマートフォンだけで資産管理をしている人も多く、通帳や証券会社からの郵便が届かないため、
発見が遅れることも珍しくありません。
7 相続放棄は簡単に取り消せない
一番後悔するケースがこれです。
放棄した後、「実は土地が3,000万円で売れた」「株式が2,000万円あった」「暗号資産が高騰していた」
このような事情が判明しても、基本的には相続放棄を取り消すことはできません。
だからこそ、相続放棄をする前には財産調査を十分に行うことが非常に重要なのです。
まとめ
相続放棄後に財産が見つかっても、原則としてその財産を受け取ることはできません。
放棄した人は「最初から相続人ではなかった」と扱われるためです。財産は次順位の相続人に承継されるか、
相続人がいなければ相続財産清算人による清算を経て、残余財産は国庫へ帰属します。
実務上、特に注意したいポイントは次の3つです。
- 放棄前には預金・不動産・証券・暗号資産などをできる限り調査する。
- 放棄後に見つかった財産を安易に使ったり処分したりしない。
- 生命保険金や遺族年金など、相続放棄後でも受け取れる制度があるため、相続財産と区別して確認する。
相続放棄は借金を引き継がないための有効な制度ですが、一度受理されると原則として撤回はできません。
「借金があるからすぐに相続放棄」と決めるのではなく、まずは財産と負債をしっかり調査することが大切です。
少しの確認が、後悔やトラブルを防ぐことにつながります。
ここまでで、今回のブログ「相続放棄後に見つかった財産はどうなる?知らないと損するルールを解説!」のテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。












