相続登記義務化とは?義務化への経緯や過去の相続の取り扱いを解説!

相続手続きガイド

こんにちは「相続手続き完全ガイド」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。

以前から噂されていた相続登記の義務化がとうとう施行されることになりました。相続登記義務化という新しい法律が施行されたことにより、どのような義務が発生するのかは読者の皆様もとても知りたいところだと思います。

今回のコラムでは、相続登記の義務化に至った経緯から、法改正後の変更点、相続登記の手続きを行わない場合に起こり得るリスクやペナルティについて、相続に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。

今回の記事を読むと、相続登記義務化についての正しい知識が身に付きますので、ぜひ最後までお読みください。

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目次

相続登記義務化とは?義務化への経緯や過去の相続の取り扱いを解説!

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相続登記とは、亡くなった方(被相続人)から不動産を引き継ぐ相続人に対して、その名義を変更する際に必要となる不動産の名義変更手続きになります。

土地や建物などの不動産の所有者は法務局にある登記簿で管理されるため、相続登記の申請手続きは法務局で行います。不動産を相続した際の相続登記が正しく行われていなければ第三者に対して不動産の所有権を主張できませんし、相続登記は不動産の処分や担保に入れる際に必要となります。不動産の相続が発生した場合には将来的なトラブルを回避するためにも、相続登記は非常に重要になります。

しかし、今まではこの相続登記をいつまでに手続きしなければならないといった法律の規定はありませんでした。しかし、今回の法改正で相続登記を申請しなければならない具体的な期限が定められ、相続登記を行わなかった者に対してはペナルティを加えるという「相続登記義務化」が施行されました。

相続登記がなぜ義務化されたのか?

現在の日本では相続登記が行われないまま所有者が特定できない空き家や空き地が増えてしまっています。この所有者不明の土地が近年社会問題となっており、不動産の取り引きをはじめとして都市開発の妨げにもなっています。この事態の解消するために不動産の所有者を明確にする相続登記義務化が施行されることになりました。

国土交通省が2016年に発表した資料によると、所有者の所在が確認できない土地の割合はなんと全体の20.1%に及ぶと報告され、この内訳として、相続が理由となって所有権移転の未登記とされている土地は約67%にもなります。

相続登記義務化はいつから?

相続登記義務化が開始されるのは、2024年4月1日とされています。今回の不動産登記法改正後は「相続の開始および不動産の所有権を取得したと知った日から3年以内」に相続登記をしなければなりません。例を挙げれば、遺産分割協議によって不動産の所有権を取得した場合は、その遺産分割がされた日から3年以内に相続登記をしなければならないということになります。

相続登記義務化されるとどうなる?

相続登記義務化により、定められた期間内に登記しなかったり、氏名や住所などの変更手続きを行わない場合に具体的にどのような罰則が適用されるのでしょうか?

相続登記義務化における罰則を解説

相続により取得した不動産を正当な理由なしに3年以内に登記しなかった場合は10万円以下の過料が課せられる可能性があります。また今回の改正では「住所変更登記の義務化」も行われ、不動産の所有者に氏名や住所の変更がある場合にも2年以内に変更手続きを済ませないと5万円以下の過料が課せられる可能性があります。

法改正前の相続の取り扱いは?

相続登記の義務化が施行される以前に相続した不動産においても、相続登記を完了させていない場合には、改正法の施行日から3年以内に相続登記をする必要があります。また、氏名や住所などの変更手続きに関しても、改正法の施行日から3年以内に行う必要があります。

相続人申告登記制度の新設

改正不動産登記法では、「相続人申告登記」という制度が新しく設けられました。これは、不動産を相続した人が法務局の登記官に対し「私が不動産の相続人です。」と申し出て登記してもらう制度です。

改正法のもとでは、不動産の所有者となったことを知ってから基本的に3年以内に相続登記しなければなりませんが、遺産分割協議が終わっていないなどの事情により、相続登記をするのが難しいケースもあります。

そこで、「自分が相続人です」と法務局に申請することにより、上記の義務を果たしたことにしてもらえるのが、相続人申告登記制度です。相続人申告登記の申請があると、登記官はその不動産の登記簿に申出人の氏名や住所などの情報を記載します。ただし、この時点では正式な相続登記ではありません。

その後、遺産分割協議などを行って相続人が確定したら、その日から3年以内に正式な相続登記をすれば相続人は義務を果たしたことになります。

相続人申告登記の具体的な申請方法についての詳細は未定ですが、相続人が単独で申請できて添付資料も簡易なものとなる見込みです。正式な相続登記よりずいぶんと負担が軽くなるので、すぐに相続登記ができない事情があるなら相続人申告制度を利用しましょう。

相続登記をしない場合に起こるリスクを解説します。

権利関係が複雑になる可能性がある

遺産分割協議が行われず、相続登記をしないまま相続人の中の誰かが亡くなると、次の相続が開始されてしまいます。また、法定相続人がすでに亡くなっている場合は代襲相続が発生します。このように相続登記をしないでいると相続人の数が増えるばかりで権利関係は複雑化いたします。相続人間で面識がない場合や連絡先が分からないような状態では、新たに遺産分割協議を行うことも困難になります。

不動産を売却できなくなります。

不動産の名義が被相続人のままの場合は、その不動産を担保にしてローンを組むことや売却することはできません。相続財産の売却を考えている場合は必ず相続登記を行う必要があります。
被相続人の遺言や遺産分割協議において、相続人の誰かが土地と建物を相続すると決定していても、他の相続人が法定相続分を先に相続登記してしまえば、その持ち分の売却は可能になってしまいます。そういった複雑な状況にならないためにも速やかな相続登記は重要になります。

不動産が差し押さえられる可能性もあります。

税金を滞納している相続人がいた場合には、相続財産である不動産が差し押さえられる可能性もあります。国は「代位登記」という手続きにより、滞納者が相続した持ち分を差し押さえることができます。差し押さえを回避したい場合は税金を滞納している相続人以外の相続人名義に相続登記する必要があります。

これらのリスクを回避するために、できるだけ速やかに相続登記を済ませるようにしましょう。

相続登記の手続き方法を解説します。

相続登記の申請手続きは、相続する土地を管轄している法務局で行います。相続登記の申請については、登記申請書に必要事項を記入したうえで登録免許税分の収入印紙を添付して、必要書類と併せて法務局の窓口もしくは郵送で提出したのち、登記の完了を確認すれば終了になります。

相続人が1人もしくは配偶者と子供だけといったシンプルなケースや平日に役所へ出向く時間が取りやすいようであれば、ご自身で相続登記の申請手続きを進めることも可能です。しかし、不動産の権利関係が複雑になっていたり、急いで不動産を売却するのであれば専門家のサポートがあったほうが安心です。

相続登記にかかる費用は、「登録免許税」と「必要書類の取得費用」になり、登録免許税の金額は、不動産の固定資産評価額の0.4%になり、税金を納めるための収入印紙は法務局または郵便局で購入することができます。また、相続登記の申請書に添付する戸籍謄本、印鑑登録証明書、住民票などもそれぞれの取得にも費用がかかります。

司法書士に相続登記を依頼する場合の一般的な相場は3万円から10万円程度となっていますので、自力で手続きを行う時間と労力などを考慮すると、司法書士に依頼したほうがスムーズに相続登記が完了いたします。当事務所では相続登記だけでなく相続全般のお悩みの無料相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

どうでしょう、相続登記義務化についての理解は深まりましたでしょうか。

ここまでで、今回のコラム「相続登記義務化とは?義務化への経緯や過去の相続の取り扱いを解説!」のテーマについての解説は以上になります。

当コラムを運営する「相続手続き完全ガイド」では、相続の手続きに関する無料相談だけでなく、相続税や相続税対策、遺言書作成、家族信託といった相続全般に関しての無料相談を受け付けています。ぜひ、お気軽に当サイトの無料相談を利用してお悩みの相続問題を解決していただきたいと思います。

それでは、久我山左近でした。

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