こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
相続登記の義務化が注目されていますが、相続登記の義務化とともに不動産を所有している人の氏名や住所の変更登記が義務化されるのをご存じでしょうか。
今回の義務化に伴いまして、従来の変更登記のルールが変わります。さらに、義務を怠った場合は罰金が科せられるので充分な注意が必要です。
今回の記事では、氏名・住所変更登記の基本情報からペナルティ、そして変更登記の方法について司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
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相続登記と共に氏名変更や住所変更の登記も義務化されました。
今までは任意だった不動産の氏名変更や住所変更の登記が義務化されて、なおかつ罰則規定が設けられました。今回の記事は、氏名と住所変更登記の義務化について司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
氏名・住所変更登記の義務化の背景について
不動産を所有している人の氏名や住所が変更された場合の登記手続きを、「氏名変更登記」「住所変更登記」といいます。これまで変更登記は任意でしたが、不動産登記法の一部改正(2021年4月)に伴い、義務化されることとなりました。
不動産登記をすると、法務局の登記簿に所有者の情報が掲載されます。さらに、登記した氏名や住所に変更があった場合は、登記変更することで、正確に所有者を確認できます。
これは裏を返すと、氏名または住所の変更をしていない不動産に関しては、現在の所有者を確認できないということです。
所有者を正確に確認できない不動産は、売買が難しいだけじゃなく、土地の再利用や公共事業の実施などに支障がでます。これらの問題を解決する手段として国が打ち出したのが、氏名・住所変更登記の義務化というわけです。
氏名・住所変更登記の始まりと期間
氏名・住所変更登記がスタートする日は、現時点(2023年11月13日)では具体的に決まっていません。
けれども、2026年4月までには行われるといわれています。義務化がスタートした時に注意するのは、手続きの期限になります。
その期限は、氏名または住所を変更した日から2年以内と決められています。例えば、2026年11月1日に不動産所有者の住所が変わった場合は、2028年10月31日までに変更登記の手続きを済ませる必要があります。
氏名・住所変更登記の義務化に伴う新たな罰則とは
氏名・住所変更登記が義務化されたことによって、義務を怠った人(または法人)に対してペナルティが科されます。
それは、変更した日から2年以内に変更登記を行わなかった場合には、5万円以下の罰金が科されるというものです。
ペナルティを避けるには、変更した時点で、できるだけ早く変更登記を済ませるようにしましょう。
氏名・住所変更登記の手続きの流れ
氏名または住所変更登記の手続きの流れは、以下のとおりです。
- ①必要な書類を集めて作成する
- ②法務局にて申請手続きを行う
- ③法務局から登記完了証を受け取る
①必要な書類を集めて作成する
登記に必要な書類には、以下のものがあります。
氏名変更登記に必要な書類 | 住所変更登記に必要な書類 |
・登記申請書・戸籍謄本または戸籍抄本・住民票の写し(戸籍附票の写しでも可)・収入印紙(登録免許税) | ・登記申請書・住民票の写し(戸籍附票の写しでも可)・収入印紙(登録免許税) |
法務局では、書類の記入を代行していません。
申請前に自分で記入するか、司法書士などの専門家に依頼して作成してもらいましょう。
②法務局にて申請手続きを行う
不動産を管轄している法務局の窓口に、書類を提出します。受付時間は各法務局によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
申請手続きは、郵送でも可能です(簡易書留で送ることを推奨します)。その場合は、封筒の表に「不動産登記申請書在中」と、忘れずに記載します。もし、手続き終了後書類の返還を郵送で希望する場合は、切手を貼った返信用の封筒を同封しましょう。
③法務局から登記完了証を受け取る
登記の手続きは、書類を申請してからおよそ1週間程度で終わります(郵送の場合は、書類が法務局に届いてから1週間程度)。手続きが終わると、登記完了証が発行されます。
登記完了証は申請した法務局の窓口で受け取りますが、受領には申請時に使ったものと同じ印鑑を使用するという点に留意しましょう。
登記完了証を郵送で受け取ることも可能ですが、申請時に、登記申請書に必要事項を記入し、切手を貼った返信用封筒を提出していることが前提です。
申請の流れについて詳しくは、法務局が公開している情報をご参考ください。
・参照:『登記されている住所・氏名に変更があった方へ(住所変更登記・氏名変更登記の申請手続のご案内)』
氏名・住所変更登記をする際の留意点
氏名・住所変更登記をする際は、以下の点に留意しましょう。
- ①義務化がスタートする前の変更も登記の対象になる
- ②自力での準備が難しい場合は専門家に相談する
①義務化がスタートする前の変更も登記の対象になる
氏名・住所変更登記の義務化の対象は、
- 義務化がスタートした後に変更があったケース
- 義務化が始まる前に変更があったケース
です。
後者の場合は、義務化がスタートしてから2年以内に手続きを済ませる必要があります。
例えば、変更登記の義務化が2026年4月1日に始まった場合は、2028年3月31日までに変更登記を済ませるということです。
②自力での準備が難しい場合は司法書士に相談する
登記手続きは、自力でも可能です。けれども、申請に必要な時間を確保することが難しいなど、一人ですることに限界を感じた場合は、司法書士に依頼しましょう。司法書士は、必要な書類の収集から申請まで代行してくれます。
司法書士に依頼する場合は、当事務所のように氏名・住所の変更登記や、制度の義務化について詳しい人司法書士を選ぶようにしましょう。
氏名・住所変更登記のまとめ
氏名・住所変更登記の義務化に伴うルール変更と、ペナルティについて詳しく解説いたしました。
覚えておくべきポイントは、以下の2点です。
- 義務化の対象は、制度が始まる前の変更も対象
- 変更登記の申請には期限がある
変更登記の手続きには、特定の書類を入手してから作成する必要があり、準備をするだけでも予想以上に時間がかかるかもしれません。手続きを期限内に終えるためにも、早めに行動いたしましょう。
どうでしょうか、今回のブログ「氏名や住所変更の登記も義務化されて罰金の対象になるって本当なの?」のテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした!