こんにちは、「相続手続きガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
東日本大震災から大きくクローズアップされた所有者不明土地の問題ですが、今では全国の所有者不明土地を合わせた面積の合計はなんと九州全土の面積よりも広くなってしまうほどになりました。
この所有者不明土地の影響によって不動産の取り引きがスムーズに行われないケースや国が公共事業を行う際の障害になることもあります。
そんな所有者不明土地をなくすために不動産登記の義務化の法律が施行されました。
そして、それに伴って相続人申告登記制度も施行されることになりました。
今回の記事では、相続人申告登記制度の内容について相続のスペシャリストである司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
今回の記事は、相続人申告登記について詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
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相続登記ができない場合の応急処置である相続人申告登記を詳しく解説!
相続登記義務化の目的は、所有者不明土地の発生を防止することにあります。相続登記を義務化すれば、不動産登記の記録を見れば誰が所有者かということが容易に判断できるようになりますので、今や社会問題になっている所有者不明土地の問題を少しずつでも解決する方向に舵を切ることができます。
相続登記の申請義務は、相続の開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日から3年以内と定められています。
一方で、相続登記を義務化するといっても、いまだ遺産分割協議がまとまらない中で法定相続分でとりあえず登記させることは相続人にとっては戸籍収集や登録免許税などの負担も大きく、遺産分割協議による具体的な相続分とは異なる登記をすることへの抵抗もあります。
しかし、遺産分割協議がまとまるまで相続登記を行わなくてもよいということになれば、実際に資産的な価値がない不動産の相続登記については放置される可能性もあり、相続登記義務化の法律自体も形骸化する恐れがあります。
そこで新たに導入されるのが相続人申告登記です。
相続人申告登記とは、いまだ遺産分割協議がまとまっていない段階で、不動産ごとにひとまず法定相続人が誰かということを登記する制度です。
相続人申告登記を行っておくことで、相続登記義務化の義務を履行したものとして扱われます。
そのため、遺産分割協議がまとまらない中でとりあえず法定相続分での登記をするのではなく、その代わりに相続人申告登記を活用するといったことが想定されます。
相続人申告登記を行ったからといって、その不動産がその相続人の所有となるわけではありません。
あくまで相続人申告登記は、その不動産の法定相続人、つまり不動産の所有者になる可能性がある者を公示するための制度で、権利変動を公示するという従来の登記とは全く異なる役割を持つ新しい制度になります。
相続人申告登記の内容を解説します。
相続人申告登記の内容としては、申し出をした相続人の住所や氏名が所有権に付記されて登記されます。
そして相続人申告登記がされた場合は相続登記の申請義務を果たしたものとしてみなされます。
相続人申告登記の申し出をした相続人以外に相続人がいても、申し出した相続人以外の相続人の住所や氏名は所有権に付記されません。
ですから、遺産分割協議がまとまらずに、ひとまず相続人申告登記を申請することで相続登記の申請義務を果たしたことにしようといった場合には、各相続人が個々に相続人申告登記を申請する必要があります。
どうでしょうか、今回のブログ「相続人申告登記とは?相続登記義務化に伴ってできた制度を詳しく解説!」のテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。